前回記事にした熊本県阿蘇郡高森町の【高森殿の杉】のすぐ近く(車で8分)、人々を魅了する神社がそこにある。
上色見熊野座神社
上色見熊野座神社
私はこれまで「かみしきみくまのざじんじゃ」と呼んで参拝していたのだが、どうやらそれが違うような合っているような分からない状況になってしまった。
観光系サイトの多くで、この神社の名称にふりがなが記載されていない。
あったとしても、「かみしきみくまのざじんじゃ」と記載されたり、「かみしきみくまのいますじんじゃ」という名で紹介されたり。
本当の読みが分からない神社とは一体なんなのだ。
あえてなのか、読めば分かるだろうという事なのか。本当はこれらの記事を書いた人達も正しい読み方が分からなくて、あえて避けたのではないか?とさえ思えてくる。そこをオススメしたいのに、聞き慣れない名称にふりがなをふらない理由がないのだから。
今日はタイミングを逃してしまったが、後日正確な情報を掴みこのブログ内で報告できたらと思う。
上色見熊野座神社の御祭神
御祭神は伊邪那岐命(イザナギノミコト)、伊邪那美命(イザナミノミコト)の夫婦神。
国生みをした神様だけに、このご夫婦を祀る神社のご利益は多彩。
商売繁盛・縁結び・夫婦円満・子孫繁栄・安産・家内安全・厄除けなど、全方位の守護者といえるのではないだろうか。
御祭神について、イザナギノミコトとイザナミノミコトの2神が表記されている場合と、加えて石君大将軍(いわぎみたいしょうぐん)も祀られているとの情報もある。
それについては後半に譲ろうと思う。
人々を魅了するワケ
日本には80,000以上の神社が存在するそうだが、そんな中において神々しさを感じる神社というのはそう多くない。
ここ上色見熊野座神社になぜ人々が足を運ぶのか?というと、鳥居の向こう側が神界へ続く道のように感じるからだろう。
私達の住む物質世界と四次元・五次元との境目、別々の世界が混じりあっているような不思議な空間。
そこに「何か」を感じてまた足を運ぶ。
参拝の流れ
上色見熊野座神社の道路を挟んだ斜め向かいに駐車場がある。
週末やお正月にはミカンの手売りをされていることも。
駐車場の脇に竹製の杖が用意されている。
初めて参拝する方は見落としがちだが、石段を登るということ、履物が適しているかどうかで必要があれば持っていこう。
(※持っていればトレッキングポールでもいいが、そこまで気合いを入れるほどではない)
ちなみに、私は毎回この杖を持っていく。
駐車場前の横断歩道を渡り、歩道を歩く。
奥のカーブから車がスピードを出してくるので気をつけて。
階段を登り終えた所に鳥居が建っているので、足腰の安定感に自信がない人は一礼した際によろけない様に。
人(神様)のおうちにあがらせてもらう気持ちで挨拶をする。
木々に挟まれた参道。
この道がどこへ向かっているのか、先がどうなっているのか分からない様相が余計に神秘的な雰囲気を盛り上げる。
何段かの緩やかな段差を歩くと、左手にお手洗いと手水舎。手水舎に気付かずに進む参拝客を多々見かけるが、これより先には身を清める場はないので忘れないように。
苔むした石灯篭が時の流れを物語る。
森の中だということもあるが、空気がパキッと切り替わるのを感じる。時々、そのような神社がある。
初めてこの地を訪れた人は、まるでアニメの世界か映画のセットの中に紛れ込んでしまったような錯覚を覚えるかもしれない。
最初のものよりも年季の入った2つ目の鳥居。
このあたりで、息切れを起こしたり、足腰に疲れを訴える人が多い。鳥居の先の社殿まであと少しなので、無理をせず深呼吸。
足元に気を取られていたら、いちど周りを見渡してみて。
「ここは苦しむ為の場所ではないよ」と緑達が囁いてくれるかもしれない。
最後の階段を登り終えたら、荒れた呼吸を再度整える。
一度訪れた事があればなんてことのない道のりだと思えるが、初参拝の際にはここに辿り着くまでは大変だった事だろうと思う。登りきれた自分を最大限ほめて労おう。
社殿
通常は神主不在の無人の社殿。この社殿の奥に本殿と思われるものが建つ。
お守りや御札は賽銭箱の横のプラスチックケースの中に収められており、代金は賽銭箱に入れる。
お守り
無人の神社とは言ったが、お守りや御札が用意してあるように、管理されている神職さんは存在する。
数年前に参拝した際、神職さんがいらっしゃる時間帯に居合わせた。
私に幼い同行者がいたからか、梛の葉を千切って私達に手渡してくださると共にこんな話をしてくださった。
梛の葉の葉脈は縦に入っており、横方向には簡単に千切れないことから、縁が切れないようにとお嫁にいく娘に母親がお守りとして渡す習わしがあった、と。
調べてみると、艷やかで丈夫な梛の葉は、魔除けや災厄のお守りとして、熊野参拝の際に安全を願って持ち帰られる事もあったそうだ。
神職さんからいただいた梛の葉は、その後お守り袋の中に収めて大切にした。
別の年の参拝時、新しいお守りの中に梛の葉を入れたかったが、さすがに御神木の葉を自ら千切るような事は出来ない。
頑丈な梛の葉はそうそう落ちる事はないのか、お掃除がされているのか、落ち葉を拾うという事も難しい。
昔むかし、現代のようにお守り袋が存在しなかった頃の話。今は梛の葉が刺繍されたお守り袋がその代わりを果たしてくれるということだろう。
※くれぐれも勝手に御神木を千切らないように
御朱印
御朱印に関しては別の場所へ出向かなければならない。
車で約8分、高森町観光交流センターで御朱印をいただける。1枚300円で3パターン、書き置き式となっている。
高森町交流センターは休館日もあるので、調べてから行かれることをおすすめする。
高森町観光交流センター 0967-62-2233後編へ続く