高森殿の杉 大地と戯れる内緒の時間

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九州

2023年1月30日、阿蘇山の火山活動が活発になった。

阿蘇山の噴火警戒レベルを 2 へ引上げ

阿蘇山では、本日(30 日)12 時 20 分頃から火山性微動の振幅が大きな状態で 推移しています。

阿蘇山では、火山活動が高まっており、中岳第一火口から概ね 1km の範囲に影 響を及ぼす噴火の可能性があることから、本日 13 時 30 分に火口周辺警報を発表 し、噴火警戒レベルを 2(火口周辺規制)に引き上げました。

気象庁

噴火警戒レベルが「1」から「2」に引き上げられたのは2022年4月以来9か月ぶりということだ。

阿蘇の記事を書こうと思い、昨日アイキャッチ画像を作成していた。

今日ニュースを見るまでは阿蘇の様子を知る由もなかったのだが、自分が意識を向けた時にこういった事が起こるとドキッとする。

溜まったエネルギーを放出しきったら早々に鎮静化し、被害がない事を願う。

高森殿の杉

熊本県阿蘇郡高森町にある観光名所

【高森殿の杉(たかもりどんのすぎ)】

樹齢400年の一対の杉が、パワースポットとして人々を惹きつけている。

大地と戯れる内緒の時間

私はその地で、自然の中に身を置いて、大地と戯れる内緒の時間がすきだ。

緑を全身に浴びる。

木々の揺れる音や鳥の声に耳を澄ます。

吹き込む風が連れてくる匂いを感じる。

草木の鋭さや柔らかさ、冷たさや温かさに触れる。

空の色をキャンバスにしてその時の想いを写し出す。

自分の吐く息が白くなると冷たい空気を味わい、息があがってくると温かい空気を飲み込む。

踏み込む土から大地と、地球と、繋がっている感覚を得る。

阿蘇

阿蘇といえば、世界最大級のカルデラ、広がる草原を思い浮かべることだろう。

南阿蘇から北阿蘇までその範囲は広く、魅力に溢れた土地だ。

高森町

その阿蘇の南東にあたる高森町。

阿蘇のひらけた雰囲気とは違い、野山を感じることのできる町である。

恋愛にご利益?!

なぜここ高森殿の杉がパワースポットとして人気を得ているかは、ロケーションももちろんだが、高森町のHPで記されているこちらも大きな理由のひとつだろう。

最近では某有名女優さんがこの地を訪れ、パワーをもらった結果、何と直後にめでたくご結婚が決まったとの噂があり、特に最近は縁結びのご利益があるともっぱらの評判です。

高森町HP

某有名女優さんの人気度にもあやかって、相乗効果でこの杉がパワースポット度合いを高めているのかもしれない。

※若い男女だけではなく老若男女、動物も含め様々な観光客が訪れているので気後れする必要はない。

杉までの道のり

国道325号線沿いの「高森町村山」の交差点のすぐ先に【高森殿の杉】の看板がある。

つい見落としてしまいそうなほどの細道なので、通り過ぎないように注意が必要。

細道に入り、一度右折したらそのまま道なりに走る。

途中にも看板が現れるのでその後迷う事はない。

しばらく走ると、右手に第2駐車場、その先の左手に第一駐車場がある。

5台ほどのスペースがあるので、第一駐車場が空いていればこちらに止める。

駐車場の奥では、赤牛が日々の営みを送っている。

放牧地であるため、ルールを守って。

第一駐車場の向かいに入り口。

この柵は開けないよう気をつける。

柵の右側の丸い入り口から牧草地へ入る。

このように、至るところに牛のフンがある。踏んで残念な気分になりたくない人は足元に気をつけて。

コンクリートの小道を歩く。傾斜になっているので、やや体力は必要。

奥に見える緑の山のようなものが、高森殿の杉。

コンクリートが途切れたところで後ろを振り返ると、いい眺め。

この境目からが、私が大地と戯れる内緒の空間になる。

穏やかな時間がここには流れている。

少し登るとこのような分かれ道が出てくるので、左の道を下る。

柵で囲まれた木が【高森殿の杉】。

柵の中は立ち入りが出来ない。

姿形の違う2本の杉が、すぐそばで互いを尊重するかのように立っている。

寄りかからず、離れすぎず。

互いの違いを認め合いながら、自分は自分としてただそこに居る。

折れた枝に新しい命が宿る。

垂れ下がった枝は地を這う。

伸びた枝に光が挿し込む。

美しさに息を飲む。

パワースポットとして人を引き寄せるのは、こうしたものを感じさせてくれるから。

両手両足を広げ、いま自分の世界を構成しているすべてを感じる。

大地と戯れる内緒の時間は、とっておきの幸せをくれる。

パワースポットとはいっても

実は、この記事を書こうとして初めて知ったのだが、高森殿の杉にはパワースポットとは言い難い歴史があった。

『高森殿』とは、戦国時代に高森一帯を治めていた高森城主高森伊予守惟居(たかもりいよのかみこれおり)のことです。

天正14年(1586年)、薩摩島津軍との激戦の末、家老の三森兵庫能因とともにこの杉の下で自刃したことからこの名称がついています。

高森観光推進機構HP

この木のたもとで命を断った人がいる。

私は敏感なところがある。加えて怖がりだ。本来なら、このような場だと知っていたら近付かなかっただろう。

激戦地や慰霊塔など観光地となっている場は、沢山の人が訪れ、何かを想い、過去と今が一つとなり、人々の想念によって弔われていくのかもしれない。

それでも、その地が記憶した情報から発せられるエネルギーというのは、微々たるものでは変えられないほどに強いものを伴う。

それがこの高森殿の杉一帯がそれを感じさせないほどに清澄な空間となっているのは、阿蘇の大地の壮大なエネルギーと、そこに生まれる植物や動物、水や空気すべてが調和しているからだろう。

高森殿の杉 0967-62-1111
高森殿の杉 · 〒869-1602 熊本県阿蘇郡高森町高森3341−1
★★★★★ · 観光名所

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